モーリス・ラヴェル作品集
モーリス・ラヴェル作品から (曲名をクリックしてみて) プレリュード 午後5時 弦楽四重奏「第一楽章」 亡き王女のためのパヴァーヌ 作風 オーケストレーションの天才 、 管弦楽の魔術師 と言われる卓越した管弦楽法と スイスの時計職人 ( ストラヴィンスキー 談)と評された精緻な書法が特徴。入念な完璧さへの腐心と同時に人間的豊かさを併せ持った表現力は「知性の最も微妙なゲームと心の深く隠された領域に沁み入る」とされた(ディクシオネール・ル・ロベール)。 母方の血筋である スペイン への関心はさまざまな楽曲に見出だされ、『 ヴァイオリン・ソナタ 』『 左手のためのピアノ協奏曲 』『 ピアノ協奏曲 ト長調 』などには ジャズ の語法の影響も見られる。常に新しい音楽的刺激を追い求めジプシー音楽にも熱狂し、それが『 ツィガーヌ 』(1924年)へと繋がった。 ラヴェルは ドビュッシー とともに 印象派(印象主義) の作曲家に分類されることが多い。しかし、その作品はより強く古典的な曲形式に立脚しており、ドビュッシーとは一線を画すと同時にラヴェル本人も印象派か否かという問題は意に介さなかった。ただし自身への影響を否定はしながらも、ドビュッシーを尊敬・評価し、 1902年 には対面も果たしている。また、ドビュッシーもラヴェルの 弦楽四重奏曲ヘ長調 を高く評価するコメントを発表している。 ラヴェル自身は モーツァルト および フランソワ・クープラン からはるかに強く影響を受けていると主張した。また彼は エマニュエル・シャブリエ 、 エリック・サティ の影響を自ら挙げており、「 エドヴァルド・グリーグ の影響を受けてない音符を書いたことがありません」とも述べている。さらに先述のようにスペイン音楽・ ジャズ に加え、 アジア の音楽および フォークソング (民謡)を含む世界各地の音楽に強い影響を受けていた。アジアの音楽については、パリ音楽院に入学した14歳の春に、 パリ万国博覧会 で出会ったカンボジアの寺院、タヒチ島の人々の踊り、インドネシアの ガムラン などに大きな影響を受けている。 また、 リヒャルト・ワーグナー の楽曲に代表されるような宗教的テーマを表現することを好まず、その代わりにインスピレーション重視の古典的神話に題を取ることを好んだ。 『 ピアノ協奏曲ト長調 』について、 ...